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今年も「異文化理解とシナリオ」の特別講義を開講

2016.06.27

2016年6月22日(水)4講時の「多文化間コミュニケーション」の授業は、ゲスト・スピーカーによる講義を開きました。講師は、昨年に引き続き、大阪のシナリオ・センターの武藤哲也氏です。プロのシナリオ作家を育てておられる武藤氏に、業界のちょっとした裏話を伺いつつ、簡単なシナリオ執筆の手ほどきを受けました。
そして、ミニ・シナリオを執筆しました。シナリオ執筆を通して、学生のみなさんからいろいろな感想が寄せられたので、一部を紹介します。

 

・今回の講義を受けて、ドラマの中で俳優の具体的なアクションによって、「その人」の性格や感情が表されていたとわかり、非常に面白かった。でも、いざ自分がそれを書くとなると、頭ではわかっているが、うまく文字に表現できないもどかしさが、面白かった。日頃から、身の周りの出来事をこの見方で振り返る癖をつけたら、今まで見えなかったものが見えるような気がした。
・目に見えない人間の性格や感情を文字で表現することは大変難しいことだと思いました。シナリオを書くと、自然と登場人物の性格などを想像しながら書いているので、人の気持ちや性格を考えるようになります。これはコミュニケーションにつながることだと思います。シナリオのように日記を書いてみたら、客観的な目をもつようになると武藤先生はおっしゃっていたので、書いてみたいです。
・シナリオを書くときに、目に見えて映像で表現できることしか書かないということが難しかった。しかし、何を食べるかでその人の内面も表現できるというのは面白かった。これは国や文化によっても左右されると思う。
・ドラマや映画、アニメのシナリオがこんな風に作られているということを知りました。「気が短い」「優しい」をカメラで写せるものとして表現することは大変なことだと思いました。先生の話が楽しかったです。
・自分だったら、どうするかと考えながら主人公のセリフを書いたら、自分の主観的な考えが主人公に反映されました。自分は少し利己的な人間なんだと感じました。
・シナリオを書くと物事を客観的に見ることが大切という話を聞いた。日常生活で、客観的に物事を見るようにしていると冷静になり過ぎる気がする反面、先のことを見通せて、トラブル回避ができるかもしれないと思った。実際にシナリオを書いてみると、難しく、つまらなくなってしまった。もっと面白いシナリオがかける「面白い人」になりたいです(笑)。
・シナリオを書くことにはあまり関心がなく、よくわからなかったが、何を伝えたかったかはわかった。自分以外の人のことを考えることがコミュニケーション上、大切だということだ。

 

講義では、次のような設定でシナリオを作成しました。留学生の主人公は卒業生の先輩から、かねてから自分が就職したいと考えていた会社のパーティで上司を紹介したいから来るように言われます。そして、同じ日時に、バンドの後輩からメジャーデビューがかかった大事なライブに出演してほしいと連絡がきます。さて、主人公の留学生はどうするのか、それをシナリオに書いて考えるというものです。同じ状況であっても、留学生の性格と感情によって、リアクションは大きく変わります。つまり、シナリオを書くことで、自分本位の考えや感情を押しつけることなく、いろいろな方向から考えていくことができるようになります。シナリオ執筆を通して、多方面から考えてみることは、異文化理解の一つの手段です。それを学生のみなさんが理解してくれたことをうれしく思います。
なお、「多文化間コミュニケーション」は日本語コース(留学生対象)のクラスですが、今年は数名の日本人学生も受講してくれました。クラスの中でも異文化交流が活発に行われていることもうれしい限りです。