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2016.08.12
「日本の社会実習A」(日本語コース)の集中講義で、京田辺市役所・消防署、京都市北部クリーンセンター、京都市民防災センターを訪問しました。
京田辺市役所では、京田辺市の紹介、京田辺市が共催している小学生ハンドボール大会全国大会の見学、市役所に隣接している消防署の見学、京田辺市の特産物である日本茶の玉露について学びました。京田辺市の紹介では伝統的な祭りや行事が中心でしたが、新しい取り組みとして、京田辺市の商店街が主催している事務用椅子のレース「いすワングランプリ」や、小学生ハンドボール大会全国大会開催の経緯や問題点についても学びました。
ハンドボール大会の全国大会の出場するチームのプレーは、小学生とはいえ、大変上手でした。しかし、印象に残ったのは、保護者などによるチームの応援です。スポーツの応援は個人がバラバラにやっているのではなく、応援するメンバ-全員で、応援の練習をして本番に臨んでいることを観戦しながら、留学生に伝えました。
また、玉露講座では、日本のお茶について学び、実際に、玉露や煎茶などの茶葉を触って臭いを嗅ぎ、飲み比べをし、最後に、玉露の茶畑を訪れました。留学生が初めて玉露のお茶を飲んだ感想は、はじめに海藻のような塩味がして、口の中で味が甘く変わっていくという声が多く聞かれました。この玉露の実習のみ、文学部の日本人学生も一緒に学びました。
京都市北部クリーンセンターでは、家庭から出るごみがゴミ処理施設でどのように処理されているのかを見学しました。日本では小学校で見学に訪れますが、今回参加した中国と韓国の留学生は、母国のごみ処理施設を訪れたことはないようです。そして、ごみ処理施設は、臭くて汚いという先入観をもっていたようですが、それは全く覆されました。まず、建物は外見からは、ごみ処理施設とはわからないきれいな建物でした。ごみ処理の多くの過程は、機械によって自動化されていました。また、ごみを焼却するだけでなく、焼却時の熱や屋上に取り付けられた太陽光パネルで発電し、余った電気は電力会社に売っているということでした。ごみ処理施設から出る煙には、ほとんど有害物質が含まれていないなど、日本の高度な技術や環境保護の意識の高さに、留学生は感心していたようです。
京都市市民防災センターでは、震度7の地震体験、台風並みの強風である秒速32メートルの強風体験、ビルの3階から救助袋という非難道具を使っての避難訓練、消火器による消火訓練、救急救命については、人形を使った胸骨圧迫やAEDの使い方の訓練などを行いました。こうした防災訓練を受けたことがある留学生はほとんどおらず、全ての体験が非常に新鮮で印象深かったようです。なお、実習当日は、防災フェスティバルが開かれており、消防士の有志のブラスバンドの生演奏も聞くことができて、大変賑やかでした。今回の防災訓練によって、今後、災害が起きたら、どのように行動したらよいか、冷静に判断できることを期待しています。
なお、今回の実習の中で、京田辺市役所でのお茶の講座について、2016年7月30日の朝日新聞朝刊の京都地方版に写真付きで掲載されました。