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ご入学おめでとうございます

2021.04.02

ご入学おめでとうございます。満開の桜が咲き誇る美しい京田辺キャンパスで皆さんをお迎えできたことを、私たち教職員一同心から嬉しく思っています。皆さんは今日から同志社大学グローバル・コミュニケーション学部の一員です。2021年度は学部にとって10周年となる記念の年です。学部は皆さんと共に、また新たな10年に向かっての時を刻み始めました。

 

この10周年という本学部にとっての節目の年にあって、グローバル社会は大きな試練を迎えています。新型コロナウイルス感染症拡大により、多くの国が国境を閉ざし、国境を越えた人の移動が難しくなっています。このような事態は10年前の学部開設時には想像もできないことでした。ワクチン接種開始などの明るい兆しもあるものの、感染拡大が未だ継続中の現在、英語コースと中国語コースのStudy Abroadはオンライン留学となり、日本語コースの多くの学生が来日できない状況が続いています。

 

けれどもこうした状況だからこそ、本学部が果たすべき役割は以前にも増して重要になっています。なぜなら、人々を分断し孤立した状況に追い込むのがウィルスのコミュニケーションであるとするなら、そうした人々を結ぶことができるのは人間のコミュニケーションだけだからです。『サピエンス全史』の著者、ユヴァル・ノア・ハラリは、人類と他の類人猿とを隔てる決定的違いは、「ことば」による高度なコミュニケーション能力であったと述べています。ホモ・サピエンスだけが、見たことも触れたこともない抽象的な事柄について話すことができる「ことば」を獲得し、「ことば」によって、多くの人々が結ばれ、共通の事柄を信じ、協働できるようになった――これが人類繁栄の鍵となったとハラリは指摘しています。現代の世界では英知を結集して解決しなくてはならない問題が山積しています。私たちは人間だけに与えられた特別なコミュニケーション能力を駆使し、協働して困難な時代を乗り越えていく必要があるのです。

 

「コミュニケーション」という言葉は「分かち合う」という意味のラテン語のcommunicareから来ていますが、同じ語源を持つ言葉として、「コミュニティ」があります。この学部は開設以来10年間、教師と学生とが一つになって創り上げてきた学びの共同体です。様々な文化的背景を持ち、様々な考え方を持つ人々が集まるこの共同体のなかで、皆さん一人一人が互いに考えや意見を分かち合いながら、この学部が目指すfacilitator、negotiator、administratorとして活躍できる人へと成長していってほしいと願っています。

 

Welcome to GC!――この学部での皆さんの4年間の学びが、未来への確固たる礎を築くものとなりますよう、教職員一同、皆さんを見守り支えていきます。

グローバル・コミュニケーション学部学部長 

玉井 史絵