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ご入学おめでとうございます

2022.04.01

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。今年も満開の桜が咲き誇る美しい京田辺キャンパスで皆さんをお迎えできたことを、私たち教職員一同心から嬉しく思っています。皆さんはこの4月から同志社大学グローバル・コミュニケーション学部の一員です。

 

キャンパスを彩る美しい桜とは裏腹に、今年の春はかつてない重苦しい春となりました。2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻に始まった戦火は今、この時も続いていて、何千万という人々が生命の危機に曝され、恐怖に怯え、国を追われています。ウクライナに限らず、同じ空の下、同じ地球(グローブ)上での、数限りない人々の想像を絶する、筆舌に尽くしがたい苦しみや悲しみを思う時、私たちはどうしようもない無力感に苛まれます。

 

ひとりの人間にいったい何ができるというのか? この現実を変えることなどできるのか? なぜ、人と人とは互いに憎しみ合い、殺し合うのか?――「グローバル」という途方もなく大きな社会に向き合う時、私たちの心の中に浮かぶのはこのような答えのない無数の問いばかりです。

 

「グローバル」な社会が、ひとりの人間の人智をはるかに超えた広大かつ複雑なものであるのに対して、「コミュニケーション」は人と人とが「ことば」を交わすことから始まります。「つくづく思うに、驚くべき事実――それは一人一人どんな人間も、他者にとっては深遠なる秘密であり、謎であるということ」――これは19世紀イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの『二都物語』という小説の一節です。「自己」と「他者」との間に横たわる深淵は埋めがたく、たとえどれほど身近な人であっても、そのすべてを完全に理解することはできません。けれども、分かり合えないことを前提としてなお、人と人とが気持ちや考えを他者と「分かち合おう」とする行為、それがコミュニケーションなのです。(communicationという語は「分かち合う」という意味のラテン語communicareから来ています)。

 

「グローバル」という大きな社会も、一人一人の小さなコミュニケーションから成り立っています。皆さんには、「ここ」京田辺キャンパスという場所から、そしてStudy Abroadで経験するもう一つの新しい場所から、グローバル社会の「今」について、多くの人々とのコミュニケーションを通じて学び、考えていただきたいと願っています。(コミュニケーションとグローバル社会との関係については、本学部教員Regina Deith先生が書かれたリレーメッセージ「対話力は平和に貢献する力」も是非読んでください。)

 

今年の春も再び、心を込めて、Welcome to GC!――12回目の春を迎えた樹齢11年の若木に集う一つ一つの花である皆さんと共に、グローバル・コミュニケーション学部は成長していきます。

 

グローバル・コミュニケーション学部学部長
玉井 史絵