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2018.07.02
2018年6月28日(木)の「日本語各論1」(日本語コース、2年次必修科目)の授業で、今年もシナリオ・センターの武藤哲也先生をゲスト・スピーカーとしてお招きしました。受講生は、昨年、シナリオの書き方について学んでいました。そこで、今年は武藤先生に受講生が作成したシナリオを授業で講評してもらいました。
シナリオのテーマは「会話の失敗」で、先に、「伝えようとしていない意味を相手が感じ取ってしまう失敗」と「相手に悪い印象を与えてしまう失敗」について、学習しました。どちらも、一方が発した言葉について、言葉を聞いた側が発話者の意図した内容と異なった理解をしてしまう「ことばの綾」について考えるものでした。
次に、受講生は「ことばの綾」に関する事例をもとに、「同じ場面をシナリオで再現し、その続きを書く」、あるいは、「自分で会話の失敗について創作する」のどちらかを選び、それをシナリオで表現しました。そして、ゲスト・スピーカーの講義の前に、これらのシナリオを武藤先生に送りました。武藤先生は一つ一つのシナリオに対して、そのシナリオの良い点、もっと工夫をした方がよい点について、コメントを書いてくださいました。それを授業時に、プリントアウトして、受講生にフィードバックしました。
同じような状況でも、キャラクターの人物をどのように設定するのか、アクションとリアクションをどう表現するのかによって、話が大きく変わっていきます。シナリオを使って、自分が伝えたいことが伝わるようにするためには、どうしたらいいのかについて、受講生やサンプルのシナリオを示しながら、お話しいただきました。
うまくコミュニケーションするためには、単に、自分の表現能力を伸ばすだけではなく、周りの状況を冷静に観察し、相手の言葉や行動のメッセージをいかに受け取るかも大切です。これらの2つの要素がうまく連動して、コミュニケーションは成り立っています。シナリオを作成し、アクションとリアクションを考えることによって、コミュニケーション能力を伸ばすことができます。