“同学们好!(みなさん、こんにちは)”
新しく始まった大学生活は如何でしょうか?自分が想像していたものとは違いますか?初めて習う言語もありますね。どうですか?語学の勉強は楽しいですか?
【リレーメッセージ】vol.5では、伊勢先生が初修外国語の学習法を紹介しました。それについては私もまったく同感です。ただ、日本文化は「恥の文化」と言われることもありますので、伊勢先生の学習法の第1の「どんどん間違えましょう」は日本人にとっては少し難しいことかもしれません。でも、語学を勉強するには、間違いを気にせずどんどん応用してみることがとても大事なことだと思います。
ここで、思い切って私の日本に来たばかりのころの恥ずかしい「間違い」をいくつか披露してみましょう。
その1.
来日したばかりのころの私は、日本語がまったくできませんでした。でも、漢字が多く使われる日本語は、見ていればおおよそのことは察しがつくだろう、と思いこんでいました。ところが、そのためにとんでもない誤解をしてしまったのです。それは、日本語と中国語と使う漢字が同じでも必ずしも意味が同じとは限らないことが原因でした。町を歩くと「麻雀」と書かれた看板がやたらと目につきました。「麻雀」(中国語では、”麻雀máquè”は「スズメ」の意味です。)というのはどこにでもある小鳥なのに、どうしてわざわざ看板まで出して売るのだろう?ひょっとして日本人はそれを食用するのではないだろうか?と私は思いました。ある時、友達と一緒に出かけて「麻雀」の看板を見かけた私は、「日本には食用の”麻雀”の専門店がありますね。」と真顔で言いました。すると友達は大笑いしながら教えてくれました。「あれは”麻雀”を売っている店ではなく、”麻将”(マージャン)屋ですよ。」と。
その2.
ある日、日本人の友達から「大丈夫ですか?」と聞かれることがありました。そのときもまだ日本語が全然わからなくて、もちろん聞かれた意味も分かりませんでした。すると友達はそれを紙に書いてくれました。中国語で”大丈夫”というと、「一人前の男」という意味なのです。それを見て、私は驚いて「我不是大丈夫、我是女的。(私はいい男ではありません。私は女です。)」という返事を紙に書きました。……
その3.
これは私が日本語の敬語を少し勉強してからのエピソードです。あるとき、日本人の友人が私の家に遊びに来ました。話をしているうちに、話題が「釣り」になりました。相手の友人は私よりだいぶ年上だったので、ここでは敬語を使わないといけないと思い、「お釣りが好きですか?」と尋ねました。その友人はげらげらと笑いながら「大好きです。」と答えました。……また、その人が帰る時、私はお土産を渡し、「お袋が要りますか?」と言ってしまいました。「袋」と「お袋」とは別の単語であることをまだ知らなかったのです。
私の失敗談はまだまだたくさんありますが、今回はこの辺で止めておきましょう。笑い話のようなエピソードですが、これらの経験は、失敗して人に笑われると、かえって強く印象に残り、二度と間違えることはないということを私に教えてくれました。
“失败乃成功之母”というのは中国でよく知られる格言の一つです。「失敗の積み重ねが成功に導く」という意味です。日本語でも「失敗は成功のもと」といいますね。同じ発想です。ですから、みなさんにはぜひ失敗を恐れず、何事にも積極的に取り組んで、語学の勉強をエンジョイしながら有意義な大学生活を送ってほしいと願っています。