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SAレポート

SA Report

SAに旅立った学生が、滞在先での状況を定期的にレポート。
見たことや感じたこと、そして海外での1年間の成長をありのままに綴ります。

Study Abroad2014 Vol.6 2015.05.26

台湾師範大学

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皆さまこんにちは!
初めまして、台湾師範大学に留学中です。

 

これぞまさに亜熱帯!という感じのかんかん照りからは一転、今週の台北は雨続きです。私は今寮の七階に暮らしているのですが、朝起きてカーテンを開けると、眼下には灰色のビルだらけの街に降り渋る霧雨、なんてロケーションが広がっていたりします。なかなか情緒があるというか、まるっきり現代的な造りをしているのにどこか懐かしさの漂う、そういう台湾らしい風景だなぁと非常に好ましく思っています。

 

さて、今日はせっかくなら台湾にしかないことを、ということで、「台語」についてお話させていただきたいと思います。

 

現在台湾で一般的に使われている言葉のなかには、世間いわゆる中国語を含め、いくつかの言語が存在しています。
例えば台北の人々にとって今やなくてはならない存在である地下鉄「捷運」、そのアナウンスのなかで聞くことができるのは、政治やメディアなど公用の場から日常会話まで、台湾の「国語」として様々な場面で広く使われており、また私たちが普段学校で習っている「普通話(北京語)」、客家族の言葉である「客家語」、そして「台語(台湾語)」の三つです。

 

台語はもともと福建省南部で話されている閩南語から派生し、その後日本語の影響を受けるなどしながら発展を遂げてきました。首都である台北では主にタクシーの運転手さんなど、年配の方が使われているという印象がありますが、南部地域では若者も自在に操ると聞きます。また、レトロブームに乗っかってその魅力を新たに見直す動きなども出てきているようで、台湾独自の古き良き文化として現在まで大切に受け継がれてきているようです。

 

私たちの通う語学センターでは、そんな台語を学べるクラスがいくつか開講されており、台湾文化への理解を更に深めるべく、私たち同志社の学生も週に一度、二時間の授業を受講しています。普通話を使って台語を学ぶというなかなかに不思議な状況のなかではありますが、明るく元気な先生のもと楽しくやっています。

 

さてそんな台語ですが、最近は少しずつ単語が聞き取れるようになり、わずかながら話もできるようになってきました。会話と呼ぶにはあまりに拙い、たどたどしいものですが、だからこそ言葉が通じたときの喜びは大きく、普通話を学び始めたばかりの頃の自分を思い出したりします。

 

留学生活のなかで、毎日授業を受けたりそれ以外の自習をしたりして言語を学ぶのは、テストでいい点数をとるため、自分の言語能力を高めるため、というのもありますが、何より会話や討論の場において、抱いた思いを相手に少しでも正しく伝えたい、正しく分かってもらいたい、という欲求があるからだと思います。単語を覚え、文法を知り、それらを組み合わせて言葉という形にしてやっと、自分の頭の中にある意志や思いを相手に向けて発信することができます。けれどそれが正しく相手に伝わるかはまた別の問題で、力が及ばずに歯がゆい思いをする日も少なからずあります。ですが、国籍も母国語も違う相手に自分の思いを理解してもらえるというのは、やはりそれをもってあまる嬉しさがあります。

 

言語はコミュニケーションの根本にあるのだと実感する毎日です。

 

[台湾師範大学 留学中 N・Mさん]