海外各国からGCへ留学中の学生が、日本での学びをレポート。
日本で出合った新鮮な体験を生き生きと伝えます。
2020.06.01
今回の記事は、この先生インタビュー特集企画シリーズの最終回です。最後に紹介する先生は須藤先生です。須藤先生はタンデム、Open campus、LABOのように授業外の様々な活動を担当していらっしゃるので、学生との関わりが非常に多い方だと言えます。それでは須藤先生からの手紙、早速読んでいきましょう!
<共通質問>
1.日本人学生と外国人留学生の違いを感じたことがありますか?もしあれば、どのような違いがあるでしょうか。 (例:授業態度、活動に対する積極性など)
授業態度や活動に対する積極性で違いを感じることはありません。積極的な人もいれば、そうでない人もいます。もちろん、日本人と外国人では、日本語や日本の常識的なことに対する反応は違いますが、逆に、外国人と接していると、日本語や日本の常識からは想像もつかないことで、新たな発見もあります。
2. 先生が思うGCJだけの長所は何ですか?
日本語や日本文化のウラが学べるところではないかと思います。日本の大学に留学する外国人は日本語や日本文化のオモテの部分の理解を深めている人は多いのですが、留学しながら、ウラがあることに驚き、中には挫折する人もいるだろうと思います。
GCJに入学して、しっかり勉強してくれれば、日本語や日本文化の深いところ、特異なところについてしっかり理解を深めて、日本社会で日本人とともに活躍できると思います。
3. 留学生に対して期待することや望むことは何ですか?
日本が好きで、日本に留学してくれた皆さんだからこそ、授業がない夏休みや春休みも、日本で様々な経験をしてほしいです。いろいろな日本人に接してほしいです。日本語や日本文化のウラを体感するためには不可欠だと思いますし、それをまた授業で深めることがGCJでは可能です。
今の日本は、世界の国々と比較すれば、外国人にとって生活しやすい国だとは言えない、と個人的には思っています。いろいろな理由があると思いますが、日本語や日本文化の壁が大きいだろうと考えています。これについて、私は日本人も変わるべきだと思うのですが、残念ながら何が問題なのかすらわからない日本人が多いです。
しかし、みなさんが日本人とともに日本社会で活躍してくれれば、日本人も変わって、外国人も含め、だれもが住みやすい社会になると考えています。一人でも多くのGCJ学生が日本社会で、あるいは、日本社会とつながったところで活躍してくれることを期待しています。
<個別質問>
授業中や授業外、留学生が発言する時や雑談する時の日本語を聞き、気になる点がある場合、どのような対応や考えをお持ちでしょうか。
私は、みなさんと話しているときに発音や単語の使い方、文法などをいちいち指摘することほとんどありません。母語話者ではないのだから、話しことばで細かいところで間違うのはしかたがない(書きことばは別です)し、それをいちいち気にしていたら、話の内容に集中できなくなってしまいます。
したがって、私が留学生の話で気になるときは、話の内容が理解できるかどうか、というところが1つの大きな基準です。私がもし理解できなければ、少し戸惑ったり、言い換えたり、確認のために質問をしたりするでしょう。より適切な表現は何なのかに気づく、よいタイミングだろうと思います。
それから、GCJの学生ぐらいになると、もう1つの基準があります。相手をいらいらさせる話し方になっている場合は、できるだけしっかり説明するようにしています。実はクラスメイトから会話が上手だと思われている人に指摘することが多いです。敬語を使えば解決するような単純なことではありません。ここに日本語のウラを知るメリットがあるのです。詳しいことはまた授業の中で話せる機会があるだろうと思います。
<学生コメント>
キム・スミン
先生の授業は主に2つに分けることができると思います。1つ目は、日本語の音声学です。日本語という言語が、どのような仕組みで発音されるのか、状況によってどう変化するのかなどを学びます。2つ目は、日常生活における多様なコミュニケーションの場面について勉強します。
授業が体系的で、基本概念を理解することから現実に応用するまで段階的に学習することができます! 最も良いのは、「エッセイ」を書くことだと思います。授業を受けながら感じたこと、考え方の変化を記録することができて個人にとってすごく有意義だと思います!
蔡紫盈
須藤先生の授業は主に音声とコミュニケーションの仕組みを扱っています。今までの日本語学習では音声について勉強する機会があまりないので、とても難しいと感じる時もあります。しかし、先生が動画や録音など多様な学習ツールを用意してくださったおかげで、授業外でもサポートが充実しています。
授業ではたまに先生のApple WatchのSiriちゃんも参加してくれます(笑)。こういった小さいハプニングは先生からすれば不本意と思いますが、皆の笑い声があったり、先生の話しやすい人柄もあまったりして、授業は堅苦しさがなく、いつも明るい雰囲気が印象的です。
みなさん、いかがでしたか? 本企画「先生インタビュー」では、GC LABOのメンバーたちがインタビュアーを務め、先生からの手紙をお届けしました。グローバル・コミュニケーション学部日本語コースの3人の先生の温かい心が伝わりましたか? いつも留学生の立場から考えてくださる素敵な先生方です。お忙しいところ、色んな話を聞かせてくださった先生方にこの場を借りて感謝します。今後ともよろしくお願いいたします。また、この企画記事を読んで頂いた方々にも感謝します。