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SAレポート

SA Report

SAに旅立った学生が、滞在先での状況を定期的にレポート。
見たことや感じたこと、そして海外での1年間の成長をありのままに綴ります。

Study Abroad2015 Vol.3 2016.01.06

Victoria University of Wellington

  • ニュージーランド
  • 欧米

明けましておめでとうございます。昨年末までニュージーランドに留学していました2回生です。

 

10か月間お世話になったNZを離れ久しぶりの日本での生活の中には違和感を覚えることも多く、最近は日常が本当に新鮮です。
私は帰国子女でもありませんし、高校での長期留学などもしたことがなかったので、GC生としての今回の留学が、生まれて初めての海外生活でした。
留学前の説明会で「逆カルチャーショック」について説明されたときは、「生まれ育った環境に戻って来てショックを受けることなんてないだろう。」と正直思っていました…
しかし、今は日常生活の様々な場面で「ここは日本なんだな」と感じたり、「私は日本人と話しているんだ」と意識している自分がいます。
例えば、小さなところで言うと、気候。私が住んでいたwellingtonという街は本当に風が強く、特に冬場は毎日台風のような荒れたお天気でした。帰国後、ひんやりとした風のない穏やかな冬の空気に触れ、「日本に帰って来たんだ」と実感しました。
それから、家族や友だち、他人とのコミュニケーション。話の内容はもちろん、ものの言い方、間の置き方、目の使い方など、留学前は考えたこともなかった日本人独特のコミュニケーションの取り方というものを意識するようになりました。
あとは社会の中にある認識など。先日知り合いと留学についてお話しているときに、「NZは自由な国ですか。」とか「競争社会ですか。」と聞かれて、思い出話と結びつけながら答えていたのですが、私がNZのLGBTの人々への認識についてお話したとき、やはり「日本社会に根付いている比較的保守的な考え方」というものを感じました。それが良いか悪いかとかではなくて、この件に限らず、それぞれの国や社会は異なる人々で構成され、異なる歴史があり、社会の中にある認識もかなり違っているのだと実感しました。
他にも、毎日の中で「日本」を感じることは多く、電車やバスの中の雰囲気、どこまでも丁寧な百貨店の接客、自動販売機の多さ、24時間営業のお店の多さ、家庭における男女の役割の意識、どこへ行くにも毎日お化粧する女性たち、ブランド品を好んで身につける人の若者の多さ、テレビ番組の内容…など、言い出したらきりがありません。
それくらい、留学を終えて帰国した今、私には日本が新鮮です。自分の国を客観的に見つめ「日本のこういうところ好きだな」という発見もありますし、その逆で「これって変な文化」とか「こういうところ窮屈だな、やだな」などと思うこともあります。ですが、その発見ができるようになったこと、気付けるようになったこと自体が自分にとっては大きな収穫だったのではと考えています。
「今まで『当たり前』と思っていたことが『当たり前』ではなくなるのが、留学の意義だと思います。」と先日、玉井先生がおっしゃっていました。今感じているたくさんの違和感も、きっと価値があるのかな、忘れたくないなと思いました。

 

留学中の現地からのレポートでもなく、抽象的な話になってしまいましたが、これから留学を控えた1回生や、留学を考えている方に「留学って正直どんなん?」というのが少しでも伝わったら嬉しいです。地元の友だちや、学部外の人には「長期留学は憧れるけど行くのって勇気いるやろ?」とか「今ある楽しい大学生活、人間関係を置いて留学に行くのは寂しい。」と言われたりします。もちろんその気持ちはよく分かります。1回生のとき私はまさにそういう心境でした。でも、個人的には、異国での暮らしを通して新たに知ったこと、気付いたこと、またそれらから得た新たな考え方や ものの見方は、自分にとっては一生の財産になると思います。最初の1週間、1か月、慣れるまで大変かもしれませんが、時間が経つほど知り合いは増え、留学生活は楽しくなっていくものだと思います。

 

空港で、ホストファミリーが「いつでもあなたの帰りを待っている家族がNZにいること忘れないでね」と言ってくれたこと、中国人のステイメイトが泣いてくれたこと、忘れられません。人の優しさ、温かさに支えられたNZ生活でした。単純ですが、この一年、異国で誰かに優しくしてもらったり助けてもらったりする度に本当に嬉しくて心強くて、私も、日本人か外国人かなんて関係なく、誰に対してもできる限り優しくできる人でありたいなと思いました。

 

これから留学を考えているみなさん、NZは良いところですよ。
小さな島国で、ものは多くありません。お店はどこも17時に閉まっちゃうような、日本人の感覚からすると「もうちょっと頑張ってよ。」な国です。でも、人々は自分たちにとって何が大切なのかよく分かっており、幸せそうに暮らしています。他人に対してもオープンで親切な人が多いです。

 

長々と書いてしまい、どう締めくくればいいのか分かりませんが、帰国して間もない今、留学のおもしろみを感じています。最後まで読んで下さった方、いらっしゃるか分かりませんが笑、ありがとうございました‼(*^^*)

 

写真はvictoria大学の図書館から撮ったものです。これが毎日当たり前の景色でした。贅沢な当たり前だったなあ

[ウェリントン大学留学 T.Mさん]