Study Abroad2018 2019.05.27
北京大学
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皆さんこんにちは。北京大学のSAレポートです。
今回は、私を含め同コースの4人が参加した、第11回日中学生手話南京事業についてお話します。この事業団体は、日中青少年交流推進認定行事の一つでもあります。2009年より「青少年による民間草の根交流事業」として始まった事業団体です。私たちは3月より中国手話の学習を始め、この度5月17日~5月19日で南京に訪問しました。全3日の日程で、老人ホーム、聾唖学校、侵華日軍抗日南京大虐殺記念館、南京利済巷慰安所旧跡陳列館等を訪問しました。
老人ホームでは、ダンスや歌を披露した後、ホームにいらっしゃる方とお話をしました。私は85歳の女性の方とお話をしたのですが、その方は“私は日本語を知っているよ。「こども」という日本語があるよね。”と話してくださり、日本語で「こども」とおっしゃっていました。ほかにも、“日本の若い女の子たちが南京に来てくれて本当にうれしいよ。かわいいダンスや素敵な歌をありがとう。”と言っていただいた時には、私は本当に感動して思わず涙がこぼれました。老人ホームに訪問する以前は、南京大虐殺を経験した年代の方が多くいらっしゃるためお話することに恐怖心を少し抱いていました。しかし実際には、私たちを笑顔で迎え入れてくれたくさんお話をしてくださいました。考えすぎていたのは私のほうだったのかもしれないと思い、胸が熱くなりました。
聾唖学校に訪問した際には、私たちは中国手話を使って生徒たちと交流をしました。学校に入ってすぐに生徒と目が合った際、私は你好という手話をして挨拶をしました。するとその生徒も同じように手話で挨拶を返してくれて、とても嬉しく思いました。とても簡単な手話ですが、通じたことの喜びが大きかったです。各グループに分かれ学校見学を行った後、体育館で交流会が催されました。現地生徒によるダンスの披露に加え、私たちも歌やダンスを披露しました。現地生徒たちがダンスを披露する際、前方で先生が手を使ってカウントを取り、生徒に支持を出していた姿が印象に残っています。音をうまくキャッチできない生徒たちは、先生の手の支持を頼りにダンスを踊っていたのです。音を上手くキャッチできる私たちでさえ、カウントを取りつつ音に合わせみんなと揃えて踊ることは難しいのに、現地生徒たちはとてもうまくダンスを踊って本当にすばらしいなと感じました。ほかにも、日本手話や日本語に興味を持っている生徒がおり、日本手話と中国手話の違いを紹介したり、南京手話を教えてもらったりして、とても濃い交流ができました。今回の聾唖学校訪問を通して特に印象に残っていることは、音をうまくキャッチできる生徒が音をうまくキャッチできない生徒の助けを行いお互いに協力し合って学校生活を送っているという点です。訪問する以前は、生徒皆が音を上手くキャッチできないのだと思っていました。しかし実際は違ったため、驚きました。今回の訪問で、「障害のある方」と一括りにはしてはいけないのだと気付かされました。
今回の第11回日中学生手話南京事業では、私は本当に多くのことを学びました。聾唖の方との交流、南京大虐殺に関しての学び、全てが貴重な経験であり、これからもっと学んでいかなければならないことであると気づきました。この貴重な体験を踏まえて、日中交流とはどういうものか、日中の問題をどう捉えていくのか、これからもしっかりと考えて行動していきたいと思います。
[北京大学留学中 Y.Kさん]