Study Abroad 2021 2022.02.07
University of Southampton
- イギリス
- 欧米
同志社大学一回生の皆さん、そして、イギリスの生活に興味のあるみなさん! Hiya!How are you doing? 私は今、Southampton大学のMayflowerという学生寮の部屋でこのSAレポートを書いています。日本への帰国まで、あと約2週間となりましたのでパッキングを少しずつ進めているところです。部屋の中を見回すとLondon National Galleryで購入した巨大なゴッホのGogh’s chairやCafé Terraceのポスター、タイタニックの置物、New Forestで購入したお猿のぬいぐるみ、フラットメイトやインターナショナルの友達からもらったバースデーカードやギフトの数々、アジアンショップで買った異国風のインスタント麺、まずいBUXTONの水、スコットランドで買ったカシミヤのマフラー、プレミアリーグのフットボールチケットなどなど思い出のあるものばかりが目につきます。パッキングを進めて、少しずつ部屋が片付いていくのを見るととても寂しく切ない気持ちになってきます。マイケル・ジャクソンの曲を聴きながら、もしくは、友だちと電話して気をそらしていかないと想いに耽ってしまいなかなか作業が進みません(笑)。
余談ですが、部屋の片づけと言えば、一番心配なのは恐怖のSilver fishという虫が冬に出てくることです。Silverfishは紙や壁紙、衣服などを食べて湿った暗い場所に生息し、日本では見ることのない虫ですが、幾つかのヨーロッパの国でも出るそうです。最近は、友達と“How was your school?”の代わりに“Did you see silver fish today?”という謎の挨拶を交わすほどにもなりましたが、パッキング中に出てこないことを祈ってます(笑)。虫と聞いて、イギリスに行きたくなくなったかもしれませんが、虫は世界共通どこにでもいるのでイギリス留学予定の皆さんに限らず、しっかり対処していきましょう。
さて、このレポートでは、私に大きく影響を与えたフラットメイトからの言葉と私の好きな授業について書いて、少しでも皆さんの留学への期待を高めていけたらなと思います。
私はイギリスに到着後、最初の2週間はコロナの影響で自分の部屋から出れない隔離生活を強いられました。私と同じフラットで生活する他国からの留学生もほぼ同じ時期に到着いていましたが、結局、隔離する必要のないイギリス人がいない生活から始まることになりました。最初、私はイギリス人に会うことにとても緊張感をもっていて、隣の部屋のアラブ首長国連邦から来たNigelと「いいイギリス人の人達が来ると良いね」と話をしていましたが、その時に彼が「Be open-minded!」と私を勇気づけてくれたことを今でも覚えています。彼が言ってくれた「自分が心を開いて仲良くなりたい、という気持ちでコミュニケーションを取ればきっと大丈夫。もし、自分が心を開いて話しても、相手がその気じゃなかったらそれはリサコのせいじゃなくて無理して仲良くすることはないし、気にすることないよ。自分をありのまま受け入れてくれる人とだけ友達になったらいいんだから」というアドバイスのおかげで、気軽により多くの人達とコミュニケーションを取ることができたと思います。
次に、私が好きだったDiscourse Analysis(アカデミックの選択科目)という授業について少しお話したいと思います。簡単に言えば、これは言語学の一種で、グローバルコミュニケーションの根幹にある部分を学ぶものです。特に英語圏のPolitenessの概念は私にとって新鮮で、とても興味深かった分野です。Politenessを日本語に訳すと「丁寧な、礼儀正しい」となって「敬語」を思い浮かべる人もいるでしょう。そして、英語圏の人は日本人に比べフレンドリー、悪く言えば、「馴れ馴れしい」と感じたり、いわゆる日本語のPoliteness(敬語)を英語で表す言い方は「Could you~?」、「Would you~?」などが当てはまると思っている方も多くいらっしゃると思います。もちろんそれらの表現は、英語圏のPolitenessの一部であり、間違ってはいないものの、英語圏のPolitenessとは日本で言う敬語や上下関係に対する配慮のみならず、もっと奥深いものがあるということが分かりました。例えば、「外国人はフレンドリー(馴れ馴れしい)」という日本人の見方も実は英語圏の“Positive politeness”から来たものといえます。要するに、フレンドリーなことは彼らにとってPolitenessの一部なのです。コミュニケーション能力イコール言語能力ではありません。他文化における「礼儀正しいこと」や、「失礼なこと」がどういうことなのかを理解することは、言語を学ぶ以前に重要なことだと私は考えており、このDiscourse Analysisの授業は英語学習者として得るところが多く、日本とは全く異なる新しい概念に触れることができたと思っています。
最後に、私がこの6か月間住んできた学生寮「Mayflower」の名前の由来を紹介するとともに皆さんへエールを送ります。「Mayflower」とは1620年にイギリスからアメリカ(ニューイングランド)へと向かう船、メイフラワー号から名づけられました。ピューリタン(清教徒)がイギリス国教会からの迫害を逃れるため、そして、信教の自由を求めて乗った船です。ピューリタンの人達が「Mayflower」に乗って新たな道を切り開いていったように、日本からイギリス、または他国へと留学される皆さんの新天地でのご活躍を心よりお祈りしています。
[Southampton留学中 T.Rさん]